税理士とは?仕事内容やキャリアプランを徹底解説!

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税理士とは?仕事内容やキャリアプランを徹底解説!

税理士は、税務の専門知識と豊富な実務経験を活かして、多くの個人や企業の経営、また社会全体の税務環境において重要な役割を果たしています。本記事では、税理士という職業の全体像、税理のはじまり・役割や使命から業務内容、なるための方法、そしてキャリアプランまでを徹底的に解説します。

税理士とは?

① 税理士とは
税理士とは、税務に関する国家資格を有し、個人や企業の税金に関する相談、税務申告書の作成、税務代理などを独占的に行う「税の専門家」です。
税理士が携わる分野は多岐にわたり、税金に関する法令や制度の変化に迅速に対応しながら、納税者の立場に立って専門家としてアドバイス・サポートを行うことが求められます。納税者の信頼に応え、申告納税制度の担い手として社会的な責任を果たしています。
また、税理士法第1条に「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と税理士の使命が記載されています。

② 税理士のはじまり
税理士の源流は、明治時代にさかのぼります。日清・日露戦争を経て国家財政や税制が複雑化し、所得税や営業税など新たな税が導入される中で、納税手続きに詳しい専門家を求める声が高まりました。そのため、商工業者を中心に、税務の知識を持つ人々に相談や代理申告を依頼する動きが広がり、これが税理士業務の発端とされています。当初は「税務代理業者」や「税務代弁者」と呼ばれ、租税や会計の素養がある人々が税務の代理業を営んでいました。しかし、当時は許可制度がなく不当な行為も発生したため、各地で徐々に監督や規制の動きが始まりました。
本格的な制度化は、戦時体制下の税務行政を円滑に進めるため、1942年(昭和17年)2月23日に「税務代理士法」が制定されたことに始まります(税理士記念日はこの日に由来します)。これにより、税務の代理や相談業務に従事するには「税務代理士」として登録し、大蔵大臣の許可を受ける必要が生じました。国家資格としての枠組みが整えられ、資格制度の導入と行政の関与によって、業務の信頼性も高まりました。
戦後の1947年には、納税者自らが税額を計算して納める「申告納税制度」が導入されました。この新制度のもと、税務手続きがさらに複雑化し、専門家によるサポートの必要性は一層高まりました。そして、1949年のシャウプ勧告に基づく税制改革が行われ、その流れの中で1951年(昭和26年)に「税理士法」が新たに制定され、『税理士』という正式な名称が誕生しました。また、税理士試験制度も導入され、専門性と倫理観を備えた人材を育成・確保するための仕組みが確立されました。これにより、現在の税理士制度の礎が築かれ、広く社会に定着することとなりました。

③ 税理士の役割
税理士の役割は納税者の代理として税務手続きを担うだけでなく、「税の専門家」として以下のような重要な社会的使命も果たします。
・暮らしのパートナー:税金に関する事前の相談に応じ、健康のホームドクターのように身近な存在として機能します。
・社会公共的使命:公平な税負担を通じて住みやすい豊かな暮らしを守るため、時代に適合した透明な税務行政がなされるよう国への働きかけを行います。また、租税教育や高齢者への支援、税制の改善、適正な税務申告への支援、無料相談会の実施など、多様な分野で社会貢献に取り組んでいます。
・申告納税制度の担い手:納税者が自らの所得を正しく計算し、納税額を算出する申告納税制度の推進の役割を担います。
参照:日本税理士連合会

税理士の業務内容

■税理士の独占業務
税理士に、税理士法によって「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つの業務が独占的に認められています。これらの業務は、税理士資格を持たない者が行うことは法律で禁止されています。

①税務代理:納税者の代わりに、税務署への申告・申請の手続きや、税務調査への立会い、不服申し立てなどを行います。

②税務書類の作成:税務署に提出する各種税務書類を、納税者に代わって作成します。単なる代書ではなく、専門知識に基づいて適正な書類を作成します。

③税務相談:税額の計算、納税手続き、税務署への主張など、税金に関する相談に応じ、助言や意見を表明します。

■独占業務以外の税理士の業務
税理士は独占業務以外にも幅広い業務を行います。これらは税理士資格がなくても行える業務ですが、税理士の専門知識や信頼性が活かされるため、多くの税理士が手掛けています。

・会計業務
記帳代行、会計ソフトを用いた仕訳入力、月次決算、試算表の作成、財務諸表や決算書など、企業の会計処理全般をサポートします。独占業務である税務書類の作成と密接に関わるため、多くの税理士が提供しているサービスです。

・資金調達支援
金融機関からの融資を受ける際の相談・手続き支援、事業計画(資金計画)の策定など

・給与計算
役員や従業員の給与計算など

・会社設立・起業支援
法人設立支援、マーケティング支援など

・経営コンサルティング
経営戦略・経営計画の策定支援、経営目標の設定、経営改善など経営全般のサポート

・相続・事業承継支援
相続対策、事業承継計画の策定から目標達成までの支援

・M&A・組織再編支援
ヒアリング、企業評価(デューデリジェンス)、マッチングなど

・補助金・融資の支援
補助金・助成金申請支援

・IT・クラウド会計・デジタル化支援
クラウド会計ソフトの導入支援や、バックオフィスのDX(デジタル化)支援

・セミナー・執筆・講演:
税務や経営に関するセミナー開催、コラム執筆、講演活動などを通じて知識の啓蒙や情報発信など

税理士になるためには?

税理士になるには、国家資格である税理士試験に合格し、実務経験(2年以上)を積み、登録が必要です。ここでは、税理士になるまでの一般的な流れをわかりやすく解説します。

①税理士試験の受験資格を満たす
会計科目の簿記論・財務諸表論は受験資格が不要ですが、所得税法、法人税法などの税法科目を受験するには、「学識(大学で社会科学系の科目を履修など)」「資格(日商簿記検定1級合格など)」「職歴(会計事務などの職歴2年以上)」のいずれかの要件を満たす必要があります。
(詳細はこちら:税理士試験の受験資格について)。

②税理士試験に合格する
税理士試験は年に1回実施され、会計科目2科目(必須)と税法科目3科目の合計5科目に合格する必要があります。科目合格制のため、一度合格した科目は有効期限がなく、複数年かけて合格を目指すことができます。合格率は10~15%程度と難易度は高いですが、働きながら独学や通信講座を活用して合格する人も多くいます。
また、特定の要件(大学院修了、国税庁または税務署に一定期間以上勤務した者)を満たすことで、一部科目の受験が免除される科目免除制度もあります。

③実務経験を積む
税理士試験に合格しただけでは税理士にはなれません。税理士として登録するには、2年以上の実務経験が必要です。この実務経験は、会計事務所や税理士事務所での勤務だけではなく、、企業の経理部門などでも認められるケースがあります。
また、税理士登録時に実務経験を証明する在籍証明書の取得が必要となるため、勤務先の協力が不可欠です。
※参考記事:税理士登録に必要な実務経験とは?

④税理士登録を行う
必要な実務経験を積んだら、税理士登録申請書類を提出し、審査を経て登録が完了すれば、正式に「税理士」として活動を開始できます。
※参考記事:税理士になるには?資格取得から登録まで徹底解説

・会計士との違い
公認会計士試験に合格し、所定の登録を行った方は、税理士登録を行うことが可能です。
税理士と公認会計士はどちらも会計・税務の専門家ですが、その業務範囲には明確な違いがあります。公認会計士は企業の財務諸表を監査する「監査」が独占業務であり、上場企業などの大規模な会計監査を行うのが主な仕事です。一方、税理士は税務代理、税務書類の作成、税務相談の「税務」が独占業務であり、個人や中小企業の税務支援が主な仕事となります。公認会計士は、税理士登録も可能なため、両方の資格を持つ人も多くいます。
(参考:税理士と公認会計士の違い - ジョブノック)
※参考記事:税理士と会計士の違いとは?

税理士のキャリアプラン

税理士は、どのようなキャリアが広がっているのでしょうか。税理士の働き方は多様化しており、独立開業だけでなく、会計事務所・税理士法人や、企業の経理・財務部門、コンサルティングファームなど、さまざまなキャリアパスが存在します。

■会計事務所・税理士法人
■独立開業して自分の事務所を構える
■企業内税理士や経理・財務部門
■コンサルティングファームや経営コンサルタント
※参考記事:税理士の就職先・転職先は?選ぶポイントや就活スケジュールについて徹底解説!

税理士は、税金の専門知識を武器に税務・会計の専門家として社会や暮らしを支える極めてやりがいのある仕事です。将来的なキャリアの幅も広く、多くの人々や企業の信頼に応える存在として、変化する社会や税制に対応していくことで、長く活躍できる専門家となれるでしょう。興味を持たれた方は、ぜひ資格取得を目指し、魅力的な税理士としてのキャリアを築いてください。

これから税理士を目指す方や税理士としてキャリアを広げたい方、より自分に合った職場でスキルアップしたい方は、就職や転職を視野に入れるのも一つの手です。

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