税理士法人とは?税理士事務所と会計事務所との違いは?

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税理士法人とは?税理士事務所と会計事務所との違いは?

税務や会計に関する専門的なサービスを提供する組織として、税理士法人、税理士事務所、会計事務所などがありますが、これから初めて税理士を目指す人や会計事務所・税理士事務所へ就職や転職を考えている方の中には、税理士法人とは?会計事務所や税理士事務所とはどのような違いがあるの?と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、税理士法人と税理士事務所、会計事務所などの違いについて解説致します。業界や業務内容について深く掘り下げて理解し、将来のキャリア選択に役立ていただければ幸いです。

税理士法人は、2名以上の税理士が共同して設立した法人格を有する組織で、税理士業務を組織的に行うことを目的としています。2001年の税理士法改正により設立が可能となり、納税者の利便性向上と税理士制度への信頼確立を目指して導入されました。

税理士法人と税理士事務所の違いは?

税理士法人と税理士事務所の違いは、法人か個人かの運営形態の違いです。

■税理士法人
⇒2名以上の税理士が法人格を持つ組織。支店展開ができる。代表者の死亡時に法人は継続する。
※税理士法人数:5002社。

■税理士事務所
⇒税理士が個人経営している個人事業主。支店展開はできない。代表者の死亡時に事務所は消滅する。
※開業税理士数:55,578人

※参照:国税庁HP 税理士登録者・税理士法人届出数(令和6年3月末日現在)

・税理士事務所と会計事務所の違い
結論をいうと税理士事務所と会計事務所は、同じです。
税理士法第四十条第二項に、税理士が設けなければならない事務所は、税理士事務所と称する。と記載があります。ので正式名称は「税理士事務所」です。
「会計事務所」は俗称として使用されています。「会計事務所」の方が一般的に普及しているのと、税理士が税のことだけでなく「会計」にも精通していることをわかりやすく表現するため、会計事務所としているケースも多いです。
また、公認会計士事務所・会計士事務所は、所長が公認会計士です。所長が公認会計士の場合も「会計事務所」を使用している場合があります。また、公認会計士は、税理士試験に合格しなくても税理士会に登録することで税理士業務もおこなえます。一方税理士は、公認会計士だけがおこなえる監査業務などはできません。

税理士事務所・税理士法人・会計士事務所・公認会計士事務所も『会計事務所』と表現することも多いです。

・監査法人とは?
監査法人は、公認会計士法に基づいて設立された法人で、公認会計士が最低5名以上で主に企業や組織の財務書類の監査や証明を行うことを目的としています。
あずさ、新日本、PwC、トーマツは、『BIG4』や『4大監査法人』、『4大会計事務所』などと言われており、広い意味で『会計事務所』に含まれますが、監査法人は、『監査法人』と表現されるケースが多いです。
参照:税理士と会計士の違いとは?

・会計系アウトソーシング会社とは?
求人を検索していると、会計系のアウトソーシングの株式会社も出てくることもあります。
これらの会社は、主に記帳代行、給与計算、決算サポート、経理業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などクライアント企業の社内業務を代行しており、税理士業務は原則として扱わないため、税理士資格は不要ありません。

税理士法人と税理士事務所・会計事務所の仕事内容の違いはある?

では、税理士法人と税理士事務所・会計事務所の仕事内容に違いはあるのでしょうか。

違いはありません。
運営形態の違いだけで、主に個人や中小企業の会計や税務申告をおこなう仕事内容は、基本的に同じです。

通常の税務以外のサービスを提供しているかについては、税理士法人か税理士事務所・会計事務所かの運営形態の違いではなく、代表や所属しいる税理士が何を強みにしているかによって変わってきます。

税理士法人と税理士事務所・会計事務所どちらで働くべき?

これまで解説してきたように、運営形態の違いですのでどちらが良い悪いではありません。
仕事内容・職場環境・労働条件・代表や職員の方との相性・事務所の経営方針や自分がどのようなキャリアを描きたいか、など総合的に働く場所を選ぶ必要があります。
税理士法人と税理士事務所・会計事務所どちらで働くべきかを考えるのに運営形態の違いによる大まかな傾向をご紹介します。

■税理士法人
税理士法人といっても様々ですが、税理士法人は複数の税理士が経営しているため、個人経営と比較すると「組織」としての運営が行われます。
中堅~大規模の税理士法人では、大手企業や上場企業などのクライアントも多く、複雑な会計・税務業務に携われる機会も多くなる傾向にあります。規模が大きくなると業務分担が進み分業化され、より専門性の高い業務に従事することも少なくありません。
また、個人経営との違いとしては、税理士法人は必ず社会保険が完備しています(個人経営の場合は社会保険の加入義務がないため未加入の事務所もあります)。

■税理士事務所・会計事務所
会計事務所も様々ですが、税理士法人と比較すると個人経営のため税理士事務所・会計事務所は、代表の影響力が大きくなりますので、意思決定のスピードは速い傾向があります。良い意味でも悪い意味でも考え方や経営方針が、ダイレクトにそのまま事務所運営・職場環境に反映されます。規模の大きな事務所もありますが、小規模な事務所が多くクライアントも個人や中小企業が中心となり、幅広い業務を1人で完結して担当することができます。

【まとめ】
税理士法人と税理士事務所・会計事務所の主な違いは「運営形態」です。税理士法人は2名以上の税理士が経営し法人格を持ち、組織的な運営が可能です。一方、税理士事務所は個人経営で、代表者の影響がより大きくなる傾向があります。
仕事内容に大きな違いはなく、働く場所を選ぶ際は、仕事内容や職場環境、労働条件、自身のキャリアプランを考慮し、自分に合った環境を選ぶことが重要です。
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