税理士を目指さずに税理士補助として働くのは正直どう?

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税理士を目指さずに税理士補助として働くのは正直どう?

税理士補助の仕事は、税理士を目指す人だけでなく、目指さない人にとっても選択肢の一つです。実際、税理士資格を目指さずに補助スタッフとして働く方も多くいます。また、「税理士資格の取得は考えていないけれど、会計事務所や税理士事務所で働いてみたい」、「経営をサポートする仕事がしたい」と考える人も少なくありません。
本コラムでは、「税理士を目指さずに税理士補助として働くのは正直どう?」という疑問にお答えし、メリットやキャリアプランについて解説します。

まず、税理士補助の仕事とは具体的にどのような内容なのでしょうか?

電話・来客対応、書類・備品管理、資料作成・整理、郵便物対応、事務所内清掃などの一般事務的な業務から、伝票整理、請求書や領収書現金出納の仕訳、勘定元帳の作成、会計ソフトへのデータ入力・チェック、月次決算や年次決算などの簿記の知識が必要とされる会計業務や、勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、年末調整などの業務があります。
そして、税務申告書の作成補助、クライアント先への訪問・対応(巡回)など、より専門的な知識が必要となる業務があります。

このように、税理士補助は一般事務的な業務から専門的な会計・税務業務まで幅広い役割を担っており、税理士資格取得を目指しているかどうかにかかわらず、活躍できるフィールドが広がっています。

では、税理士を目指さずに税理士補助として働くことには、どのようなメリットやキャリアパスがあるのでしょうか?次のブロックで詳しく見ていきましょう。

税理士を目指さないで税理士補助として働くメリット5選!

税理士資格を目指さなくても税理士補助として働くことのメリットをご紹介します。

①税理士試験に必要な勉強時間を他の時間にあてることができる
税理士試験の合格に必要な勉強時間は、およそ4,000~6,000時間が必要とされています。税理士を目指さない場合は、この勉強時間を家庭や子育て、趣味、他の資格、実務やスキルアップ向上などの時間に使うことができます。

②独立の可能性がないので、長く働ける人材として会計事務所に見てもらえる
会計事務所にとって、スタッフが独立してしまうリスクは常に存在します。税理士を目指していない人は独立する可能性が低く、中長期的に中核スタッフとして活躍してくれるという期待が持たれます。そのため、会計事務所や募集する求人によっては、「税理士を目指していないこと」が有利に働くケースもあります。補助業務全般を着実にこなせる人材は、安定した事務所運営に欠かせない存在となります。

また、税理士を目指す方は、比較的レベルの高い業務を希望するケースも多いですが、税理士を目指さない税理士補助の人材の方が、日々の業務を着実に丁寧にこなしてくれると考えて仕事を任せやすいと感じる会計事務所も少なくありません。実際に税理士補助として働いている方で、「資格取得のプレッシャーがなく、家庭と両立しながら長く働けるのが魅力」と語っている方もいます。長く安定して働きたいと考える人にとっては、うってつけの環境と言えるでしょう。

③ 比較的自由がきき、自分のペースで働くことができる
「税理士を目指している」という前提がないため、会計事務所側からの期待値が過度に高まらず、繁忙期はありますが、比較的自由度の高い働き方も可能です。もちろん、与えられた業務は責任を持って遂行する必要がありますが、ライフスタイルに合わせて働きたい人や、一つの分野を極めたい・腰を据えて無理なく仕事を続けたい人にとっては、心地よい働き方と言えるかもしれません。

④ 転職に有利なスキルが身につく
税理士補助の仕事を通じて、会計・税務の実務経験を積むことができます。これらの経験は、他の会計事務所はもちろん、一般事業会社の経理財務・バックオフィスや、会計知識を活かすコンサルティング会社などでも役立ちます。

⑤ 年齢を問わず、税理士補助の実務経験は高く評価されます 
DXやAIが進む中でも会計や税務に関する専門知識・経験を持つ人材の需要は根強く、実務経験がある人材は年齢に関わらず、市場価値は高いです。
人材不足感が続く税理士業界では、実務経験がある税理士補助スタッフの需要は高く、多くの会計事務所で歓迎されます。ブランクがある人や年齢を問わず中高年層の方も再就職・転職のチャンスが広がっています。

税法改正への対応、新たなシステムの導入、複雑な税務処理など、常に変化する状況に対応できる柔軟性と学習意欲があれば、ベテランになってもその経験と知識は重宝されます。専門性を活かして安定して働ける職種であるという点は、長期的なキャリアを考える上で心強い要素となるでしょう。

税理士を目指さない税理士補助のキャリアプランとは?

税理士資格取得を目指さなくても税理士補助としてのキャリアは、多様な選択肢があります。実務経験を積みながら、自分に合った働き方やステップアップを模索することが重要で、様々な形でキャリアアップしていくことも可能です。主なキャリアパスは以下の通りです。

① 会計事務所でキャリアアップ
最も一般的なキャリアプランは、就職した会計事務所内でキャリアアップしていくことです。
仕訳から決算・税務申告、給与・社会保険手続き、巡回クライアント対応など業務範囲を広げていくことで、事務所内での評価が上がり、中核スタッフとして信頼を得て、徐々に責任あるポジションを任されるようになります。ベテラン職員として所長の右腕として活躍できれば、600~1000万円を稼ぐ方もいます。
事務所規模や方針によって昇進の機会や収入は異なりますが、担当顧問先の増加や、リーダー職・マネジメント職への昇進、特定の業務のスペシャリストなど、税理士を目指していなくても実力と信頼で事務所内で評価され重要な役割を任される可能性は十分あります。

② 他の会計事務所へ転職
これまでの経験を活かして、より条件の良い事務所や働き方や自分に合った会計事務所へ転職することも可能です。税理士補助の経験で汎用性の高い通常の会計・税務業務以外にも、特定分野での強み(相続税、資産税、事業承継、組織再編、国際税務、特定業種やITツール・サービスに精通している、営業・マネジメントスキルなど)があれば転職も有利に進みます。

③ 異なる職種(経理・コンサル)へ転職
税理士補助の経験は、一般企業の経理部門や会計系コンサルティング会社への転職にもつながります。会計ソフトの扱いや月次・年次決算・税務申告の流れを理解していれば、実務経験者として即戦力とみなされることが多く、税理士補助の経験は有力なステップになります。

税理士補助に向いている人の特徴5選

税理士補助として働く上で、どのような人がこの仕事に向いているのでしょうか?ここでは、特に税理士補助として活躍できる人の特徴を5つご紹介します。

① 数字や細かい業務が苦にならない人
伝票入力やチェック・会計処理など、日々の入力業務等で正確性が求められる場面が日常的に発生します。そのため、数字を見ることに抵抗がなく、むしろ好きだという人、そして、一つ一つの細かい業務を丁寧にコツコツと根気強く、正確にこなせる人が向いています。また、簿記2級レベルの知識があれば、仕事への理解も早く、就職や転職において有利に働きます。簿記2級レベルの知識は、独学でも十分習得可能です。

② ルーティンワークをミスなくこなせる人
月次の処理や定型業務も多いため、ルーティンを丁寧かつ正確にこなす力が求められます。これらの業務は一見単調に見えるかもしれませんが、企業の会計の基盤となる重要な作業であり、一つでもミスがあれば大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、地道なルーティンワークを正確かつ効率的にこなせる能力が求められます。

③ 与えられた仕事を責任もって成し遂げられる人
税理士補助は、税理士の指示のもとで業務を進めますが、与えられた仕事に対しては責任感が求められます。特に、顧問先の会計データを扱うため、情報管理の徹底や機密保持、期日や所内ルールを守ることに対する高い意識が必要です。

④ コミュニケーションを取るのが苦手でない人
税理士補助の仕事は、数字と向き合うだけでなく、顧問先とのやり取りや、所内スタッフとの連携など、人とのコミュニケーションも非常に重要です。円滑なコミュニケーションは業務の効率化にもつながります。必要な報告・連絡・相談ができる方が活躍しやすいでしょう。

⑤学習意欲が高い人
税法や会計基準は、常に改正が行われます。そのため、税理士補助として長く活躍するためには、常に新しい知識を吸収し、学び続ける意欲が不可欠です。

まとめ

税理士を目指さずに税理士補助として働くことは、税理士資格取得にこだわらない働き方を選びたい方にとっては、魅力的な選択肢です。
一般事務に近い業務から専門性の高い税務まで、その業務内容は幅広く、自身のスキルレベルや興味に合わせて様々な経験を積むことができます。税理士事務所にとっては、独立の心配がなく、長期的に活躍してくれる「長く働ける人材」として重宝されます。実務経験を積みながらスキルアップし、安定した働き方や転職先を見つけることも可能です。一方、税理士資格取得を目指さない分、事務所によっては給与や昇進に天井があるケースや専門性の高い業務に進みづらい場面もあるため、自分の将来像と照らし合わせて選択する必要もあります。

いずれにせよ税理士補助というポジション自体が税理士事務所にとって欠かせない存在であり、長期的に信頼される人材として活躍できるチャンが十分にあります。また、実務経験があれば年齢に関わらず需要があるため、長期的に安心して働ける職種であると言えるでしょう。
自分のライフステージや価値観に合わせて、無理なく長く働ける環境を探している方は、ぜひ税理士補助という働き方を検討してみてはいかがでしょうか。

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