税理士求人の探し方|仕事内容・年収・失敗しない選び方を解説

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税理士求人の探し方|仕事内容・年収・失敗しない選び方を解説

税理士は企業や個人事業主にとって欠かせない専門職であり、近年も安定した求人需要があります。税理士資格を活かして転職したい、あるいは税理士科目合格や未経験から会計・税理士業界に飛び込みたいと考えたとき、「どのように求人を探せば失敗しないのか」はキャリアを築くうえで将来を左右する重要なポイントです。
本記事では、税理士求人の現状から仕事内容、求人の種類、失敗しない選び方までをデータなどを踏まえ詳しく解説します。これから転職・就職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

税理士求人の現状
税理士の求人を探すにあたり、まずは現在の税理士がどのような状況にあるのかを把握しておきましょう。
日本に登録されている税理士は82,233人(令和8年5月末時点)であり、その分布には地域差が見られます。
税理士会別の税理士登録数は以下のとおりです。
東京   24,715人(30.1%。管轄区域:東京都)
近畿   15,562人(18.9%。管轄区域:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県)
関東信越  7,699人 ( 9.4%。 管轄区域:埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、新潟県)
東京地方  5,128人 ( 6.2%。 管轄区域:神奈川県、山梨県)
名古屋   4,896人 ( 6.0%。 管轄区域:愛知県、岐阜県)
東海    4,307人 ( 5.2%。 管轄区域:愛知県、静岡県、三重県)
九州北部  3,644人 ( 4.4%。 管轄区域:福岡県、佐賀県、長崎県)
中国    3,263人 ( 4.0%。 管轄区域:広島県、岡山県、山口県、鳥取県、島根県)
千葉県   2,589人 ( 3.1%。 管轄区域:千葉県)
東北    2,539人 ( 3.1%。 管轄区域:宮城県、岩手県、福島県、秋田県、青森県、山形県)
南九州   2,327人 ( 2.8%。 管轄区域:熊本県、大分県、鹿児島県、宮崎県)
北海道   1,889人 ( 2.3%。 管轄区域:北海道)
四国    1,658人 ( 2.0%。 管轄区域:香川県、愛媛県、徳島県、高知県)
北陸    1,481人 ( 1.8%。 管轄区域:石川県、福井県、富山県)
沖縄     536人 ( 0.7%。 管轄区域:沖縄県)
参照:日本税理士会連合会

特に東京税理士会では24,715人(30.1%)と突出しており、次いで近畿税理士会が15,562人(18.9%)となっており、首都圏・都市部に集中していることが分かります。このような地域差は、税理士求人の動向にも大きく影響しています。求人を探す際、都市部では「多くの選択肢から自分の専門性に合った事務所を選ぶ」戦略が取れる一方、地方都市では「地域に根差した事務所の中で、独自の強みを持つ自分に合った職場を見つけるか」という戦略が求められます。

税理士の平均年収・求人賃金・有効求人倍率
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(2026年6月時点)によると、税理士の年収は全国平均で810.8万円、求人賃金(月額)は34.7万円、有効求人倍率は2.31倍となっています。求職者1人に対して2件以上の求人がある計算で、人材需要の高さがうかがえます。このように税理士は、高度専門職として平均年収は高い水準にあります。ただし、これはあくまで「平均値」です。実際には、経験やスキル、勤務先の規模や役職、保有資格、担当業務、地域によって年収には大きな差があります。特に実務経験、専門分野(相続・国際税務・M&A・事業承継など)、マネジメント経験を持つ人材は、求人市場において高く評価されます。
参照:job tag 厚生労働省職業情報提供サイト

税理士求人の需要が生まれる背景
税理士求人が継続的に発生している背景には、業界構造の変化と企業ニーズの高度化という複数の要因があります。
まず大きな要因として挙げられるのが、税理士業界における人材不足です。税理士試験の受験者数は少子化の影響もあり長期的に減少傾向で、加えて現役税理士の過半数が60代以上といわれるなど、高齢化が進行しています。そのため、若手から中堅層の有資格者や科目合格者は非常に希少であり、多くの会計事務所・税理士法人において積極的な採用ニーズが生まれています。
さらに、個人事業主や中小企業を取り巻く経営環境の変化も、税理士需要を押し上げる要因となっています。単なる税務申告にとどまらず、経営支援やコンサルティングを求めるニーズが増加しています。相続税対策や事業承継、M&Aといった分野は案件数が増えており、専門性の高い税理士の存在が不可欠です。
制度対応やテクノロジーの進展も無視できません。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、電子申告の普及、さらにはDXやAIの活用など、税務業務は年々高度化・複雑化しています。こうした変化に対応できる人材の確保は、事務所にとって重要な課題となっています。
また、国際税務や組織再編といった高度専門分野のニーズも拡大しています。これにより、従来以上に高度な専門性が求められる分野も拡大しています。
このように、税理士業界では人材供給の減少と業務ニーズの拡大が同時に進んでおり、税理士に求められる役割は年々広がっています。そのため、税理士や科目合格者を対象とした求人需要は今後も高い水準で推移すると考えられており、会計・税務分野でキャリアを築きたい方にとっては多くの活躍の機会がある状況といえるでしょう。

公的データから見た税理士の働き方
税理士というと独立開業のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、公的データを見ると働き方は多様化しています。
国税庁が公表している令和7年3月末時点のデータによると、全国の税理士登録者数は81,696人です。その内訳は、開業税理士が55,395人(67.8%)、社員税理士が13,734人(16.8%)、所属税理士が12,567人(15.4%)となっています。(参照:国税庁HP)
開業税理士:自身で税理士事務所を開設し、独立して業務を行う税理士
社員税理士:税理士法人の経営に参画する役員・パートナーとして働く税理士
所属税理士:税理士法人や個人の税理士事務所に勤務する税理士

約7割の税理士が開業税理士として活躍していますが、一方で税理士法人で働く社員税理士も増加しています。その背景には、2002年(平成14年)の税理士法改正により「税理士法人制度」が創設されたことがあります。税理士法人は、社員税理士が2人以上で構成される必要があり、一般企業でいう会社組織に近い形態です。個人事務所と比較して組織的な運営が可能であり、相続税、事業承継、国際税務など専門性の高い案件に対応しやすい特徴があります。
近年は税理士法人の増加と大規模化が進んでおり、本店数は令和8年5月末時点で5,294件に達しています。こうした業界の変化に伴い、税理士法人の経営を担う社員税理士や、組織の中で専門性を発揮する所属税理士の活躍の場も広がっています。そのため、税理士のキャリアは「独立開業」だけではなく、税理士法人で経験を積みながら専門分野を極めたり、将来的に社員税理士として経営に携わったりするなど、多様な選択肢がある時代になっています。
求人を探す際には、自分がどのようなキャリアを目指したいのかを明確にしたうえで、勤務先の規模や業務内容を比較検討することが重要です。

税理士求人で募集される主な仕事内容

税理士求人と一口に言っても、実際の求人の募集要項に記載されている業務内容は多岐にわたります。税理士の独占業務から、コンサルティング業務まで、主な仕事内容を押さえましょう。(参照:国税庁HP)
■税理士の独占業務
まず、税理士の中心となるのが独占業務です。
税務代理:納税者に代わって税務署への申告や手続きを行う業務です。税務調査への立会いも含まれ、税理士の独占業務の一つとして知られています。
税務書類の作成:法人税や所得税、相続税などの申告書を作成する業務です。正確な税務知識が求められるため、税理士としての専門性が発揮される重要な仕事です。
税務相談:「新しい事業を始めるが、どの税制が適用できるか」「節税のためにどのような対策が可能か」など、顧客からの税金に関する疑問や相談に応じる業務です。
求人の要件として「コミュニケーションスキル」や「提案力」が求められる場合、この税務相談において顧客の潜在的な課題を引き出し、分かりやすく説明する能力を指しています。

税理士の独占業務以外の仕事内容
一方で、独占業務以外にも重要な業務があります。
会計・記帳・決算業務:会計ソフトへの入力確認や月次試算表の作成、決算書作成なども重要な業務です。
専門領域や、経営支援・改善などのコンサルティング業務:創業・開業、法人化、クラウド会計導入、決算早期化、資金繰り、財務、補助金、助成金、相続、資産税、事業承継、M&A、組織再編、国際税務など、高度な専門知識を必要とする業務です。

このように、税理士求人では「税務の専門家」としての役割に加え、「経営支援のパートナー」としてのスキルも求められる傾向にあります。どの業務に携わるかによって身につくスキルは大きく変わるため、求人選びの際には業務内容をしっかり確認することが重要です。

税理士求人の種類

税理士求人は、勤務先の形態や求められるスキルによって大きく分類されます。それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったキャリア選択がしやすくなります。
〇会計事務所・税理士法人の求人
最も一般的なキャリアであり、税務・会計の基礎から応用まで幅広い実務経験を積むことができます。個人事務所・税理士法人では中小企業や個人事業主を中心とした実務を担当するケースが多く、顧客対応力が身につきます。大手税理士法人では上場企業や国際税務など高度な案件に携わる機会もあり、特化型事務所では相続や資産税など特定分野の専門性を深めることができます。
〇コンサルティング会社の求人
会計系コンサルティング会社では、財務改善や経営支援に携わることができ、より経営に近い立場での業務が経験できます。また、M&Aや事業承継コンサルティングを専門とする企業では、企業再編や事業戦略に関わる高度な案件に関与できる点が特徴です。税務に加えて、分析力や提案力が求められます。
〇一般事業会社の経理・税務部門の求人
一般企業の経理部門や税務部門で活躍するケースもあります。中小企業では経理業務全般を幅広く担当するケースが多く、実務の幅が広がります。一方、上場企業や大手企業では税務や連結決算など専門性の高い業務に携わる機会があり、業務分担も明確です。外部の税理士と連携しながら、社内の体制を支える役割を担います。
〇未経験者向け求人
「資格勉強を始めたばかり」「実務経験がない」という方向けの求人です。
最初は「会計データ入力」「書類整理」「電話応対」などのアシスタント業務(税理士補助)からスタートします。実務経験を積みながら業界のルールを学び、ステップアップしていくための門戸が開かれています。ポテンシャルや人柄、PCスキルが重視される傾向にあります。

自身のスキルやキャリア志向に応じて、どの種類の求人を選ぶべきかを明確にすることが重要です。

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税理士求人を選ぶときのコツ

税理士求人は数多く存在しますが、「給与が高そうだから」「有名な税理士法人だから」といった理由だけで応募先を決めてしまうと、入社後に仕事内容や働き方とのミスマッチが発生する可能性があります。税理士として長く活躍するためには、条件だけでなく、将来どのようなキャリアを築きたいのかという視点を持ちながら求人を選ぶことが大切です。ここでは、税理士求人を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

■自身の希望条件を整理し、優先順位を明確にする
求人を探し始める前に、まずは自分自身の希望条件を整理しましょう。転職や就職活動では、すべての希望を満たす求人に出会えるとは限りません。そのため、「これだけは譲れない条件(Must条件)」と「できれば満たしたい条件(Want条件)」を切り分けることが重要です。
例えば、「試験勉強との両立が可能な勤務時間」はMust、「年収水準」や「勤務地」はWantといった形で整理します。条件に優先順位をつけることで、求人選びの軸が明確になり、迷いを減らすことができます。一方、希望条件を厳しく設定しすぎると、応募できる求人が極端に少なくなることがあります。その場合は、条件に優先順位を付けたうえで、検索範囲を少し広げてみることも求人探しを成功させるポイントです。

■求人票で確認すべき重要ポイントを押さえる
求人票には多くの情報が記載されていますが、見るべきポイントを理解していないとミスマッチにつながります。実際に働く姿をイメージしながら内容を確認しましょう。
仕事内容はできるだけ具体的に確認し、担当する業務や顧客の業種、規模、担当件数、使用する会計・税務ソフトなどまで把握することが重要です。曖昧な表現が多い場合は、面接時に必ず具体的に質問しましょう。
応募要件については、必須スキルと歓迎スキルの違いを見極め、自分の経験とどの程度合致するかを判断します。歓迎条件は必須ではないケースも多いため、多少不足していても応募できる場合があります。
給与面は基本給だけでなく各種手当の詳細も含めて確認します。特に固定残業代の有無や内訳の時間・金額は必ず確認しましょう。
就業条件では、勤務時間や年間休日に加え、繁忙期の残業時間の実態も重要です。税理士業界は繁閑差が大きいため、実際の働き方を具体的に把握する必要があります。
試用期間中の条件や福利厚生、昇給・昇格制度、資格取得支援制度、時短勤務、在宅勤務などの有無なども確認し、賞与や各種手当を含めた「年収ベース」、将来的な昇給やキャリアアップ後の年収水準も含めて長期的に働ける環境かを見極めて判断することも重要です。

■教育体制や試験勉強との両立環境を確認する
未経験者や若手の方は、働きながら資格取得を目指すケースが多いため、教育体制や資格支援の有無も判断基準です。具体的には、研修制度の有無、OJT体制、先輩社員のフォローやチェック体制、マニュアル整備状況、試験休暇の有無、残業時間、専門学校の通学支援などを確認します。

■企業文化・社風を見極める
応募前に、企業の採用ページや社員インタビューなども確認し、企業理念、求める人物像、年齢構成や男女比、職場の雰囲気や価値観を把握しましょう。例えば、小規模事務所では幅広い業務を経験できる一方で教育体制が個人依存になる場合があります。反対に、大手税理士法人では研修制度や分業体制が整っている一方で、担当業務が限定されることもあります。自分がどのような環境で成長したいかを踏まえ、どちらが良い悪いではなく、自分の価値観や働き方に合っているかを見極めることが重要です。

■将来のビジョンや長期的な計画も考え、年収だけで求人を選ばない
就職や転職活動では給与に目が向きがちですが、年収だけで求人を選ぶのはおすすめできません。例えば、
将来的に独立開業したい
相続税の専門家を目指したい
M&Aや事業承継業務に携わりたい
税理士法人の社員税理士を目指したい
など、人によって目指すキャリアは異なります。
目先の給与だけではなく、「5年後・10年後にどのような税理士になりたいか」という視点で求人を比較することで、後悔の少ない転職・就職につながります。

■税理士専門の求人サイトを活用する
就職や転職活動で求人を探す際、ハローワーク、知人紹介、求人サイト、転職エージェントなどの方法がありますが、効率的に質の高い求人を探すためには、税理士業界に特化した求人サイトの活用が有効です。専門サイトでは、業界特有の条件で検索できたり、詳細な職場情報を得られるケースも多いです。また、一般的な求人サイトには掲載されていない税理士求人が掲載されていることも多いため、より多くの選択肢の中から比較検討できます。

これらのポイントを総合的に判断し、自身のスキル・キャリアプランや理想の働き方と照らし合わせることで、納得のいく就職・転職を実現することが可能です。

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~まとめ~
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