税理士試験の固定資産税について徹底解説!

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税理士試験の固定資産税について徹底解説!

税理士試験の選択科目の一つである「固定資産税」について、基本から試験制度、難易度、勉強法までをわかりやすく解説します。これから受験を検討する方にも役立つ内容です。ぜひ最後までお読みください。

固定資産税とは?

固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産(事業用の機械や備品)を所有する者に対して、資産の価格をもとに市区町村(東京23区は都)などが課す地方税です。固定資産税は、市町村民税とともに、福祉、救急などの基礎的な行政サービスを提供する市町村を支える基幹税目として、重要な役割を果たしています。「家や土地を持ってる人が毎年かかる税金」と考えるとイメージしやすいでしょう。

税理士試験の「固定資産税」の位置づけ
税理士試験は、合計5科目に合格することで資格取得となります。構成は以下の通りです。
〇会計学に属する科目(必須2科目)
簿記論、財務諸表論
〇税法に属する科目(選択制3科目)
【選択必須】 所得税法 または 法人税法のいずれか1科目以上
【選択】 相続税法、消費税法 または 酒税法、国税徴収法、住民税 または 事業税、固定資産税
税法科目のうち所得税法または法人税法のどちらか1科目は必須(選択必須科目)であり、残りの税法科目を自由に選択して合計5科目に合格することで税理士資格を得る仕組みになっています。
固定資産税は、この税法9科目の中の選択科目の一つです。
固定資産税法という法律はなく、住民税や事業税などと同じく地方税法という法律の中の一部です。法人税法、所得税法、相続税などと比較すると出題範囲が狭く、ミニ税法と呼ばれ学習範囲やボリュームが比較的少ない科目です。そのため、働きながら受験する社会人や複数科目合格を目指す受験生から選択されるケースも多くあります。

また、税理士の実務においては、償却資産税の申告書作成などで知識を活かすことができます。ただ、法人税法・所得税法・相続税法・消費税法などと比べると実務で活用できる場面は限定的になります。

税理士試験の固定資産税の試験内容

【受験資格】
固定資産税の受験には、一定の資格が必要です。主な区分は以下のとおりです(2023年以降、会計科目の簿記論・財務諸表論については受験資格が不要となりましたが、税法科目は以下の受験資格が必要です)。(参照:国税庁HP)​
・学識:大学、短大・高等専門学校、専修学校卒業で、社会科学に属する科目を1科目以上履修、大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得、司法試験合格者・公認会計士試験の短答式試験の合格者など
・資格:日商簿記検定1級合格者、全経簿記上級合格者
・職歴:会計事務・銀行業務などに2年以上従事。税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事

【試験日程など】
・税理士試験日程:例年、8月上旬~中旬の3日間にわたって実施されます。
・試験時間:2時間です。
・受験地:全国の主要都市に設けられています。正確な日程や時間割は、国税庁のホームページにて例年4月上旬から4月中旬頃に公表されます。(参考:『税理士試験の試験会場は?いつわかる?過去の会場は?注意点は?』
・受験申込受付:例年4月下旬~5月中旬ごろです。申込書類や必要書類の準備をして、申し込みをします。
・合格基準:合格基準点は各科目とも満点の60パーセントです。
・合格発表:合格発表の日程は、例年11月下旬から12月上旬頃です。

【試験範囲・出題形式・傾向】
・試験範囲:固定資産税に係る地方税法、同施行令、同施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。
・出題形式・傾向:固定資産税の試験は、「理論問題」と「計算問題」の2本柱で例年構成されており、配点はそれぞれ50点(合計100点)です。
理論問題では、固定資産税の対象となる土地・家屋・償却資産の範囲や、評価額の決定方法、賦課決定手続き、縦覧制度、固定資産課税台帳の閲覧制度、減免措置や特例制度などが出題されます。個別理論の暗記を前提とした問題を中心に事例形式の応用問題も出題されています。
計算問題では、具体的な事例に基づき土地・家屋・償却資産に関する固定資産税額を算出する問題が出題されます。計算量の多いボリュームのある問題が出題される傾向にあり、スピードと正確性の両方が求められます。

固定資産税の難易度

固定資産税の合格率
国税庁の公表データによると、固定資産税の合格率は例年おおむね13%〜18%程度で推移しており、直近5年間の平均合格率は16.6%で、推移は以下のとおりです。
2025年(第75回):15.5%(受験者数 928人、合格者 144人)
2024年(第74回):18.0%(受験者数 893人、合格者 161人)
2023年(第73回):17.3%(受験者数 846人、合格者 146人)
2022年(第72回):18.4%(受験者数 910人、合格者 167人)
2021年(第71回):13.8%(受験者数 941人、合格者 130人)

他の主要税法(法人税法や所得税法など)に比べると、受験者数は毎年900人前後と比較的少なく、直近5年間の合格率はやや高めの水準で推移しています。

固定資産税は難しい?
税理士試験の中では「中レベルの難易度」に位置付けられます。勉強時間の目安は、一般的に約200〜250時間以上が必要とされていますが、理論暗記や計算対策を含めると人によっては、500~800時間程度を要するケースも少なくありません。

試験範囲が比較的コンパクトであり、出題傾向も安定しているため、過去問や専門学校のカリキュラムに沿った対策が非常に有効な科目です。一方で、「範囲が狭い=簡単」というわけではない点には注意が必要です。固定資産税は学習範囲が限られている分、受験生全体の完成度が高くなりやすく、結果として高得点勝負になりやすい科目です。わずかなミスがそのまま不合格につながるケースも少なくありません。計算問題では、処理スピードの向上とケアレスミスの徹底的な排除が重要であり、「1問のミスが命取りになる」という意識で学習する必要があります。また、理論問題においても、単なる暗記ではなく応用的な出題に対応できる精度が求められます。

このように固定資産税は、出題傾向が安定していて対策しやすい一方で、受験生のレベルが拮抗しやすく、ミスが許されない“精度勝負”の科目といえるでしょう。確実に得点を積み重ねるためには、基礎の徹底と過去問演習の積み重ねが不可欠です。

固定資産税に合格するための勉強方法

固定資産税に合格するためには、「理論は応用力、計算はスピードと正確性」という特性を踏まえつつ、まずは基礎力を確実に固めることが重要です。そのうえで、段階的に応用力と実戦力を高めていく学習が求められます。

理論問題対策では、条文の正確な暗記と制度趣旨の理解が欠かせません。固定資産税は「なぜその規定があるのか」という背景の理解も必要で、単なる丸暗記では応用問題に対応できません。固定資産課税台帳の縦覧・閲覧や賦課決定手続きといった論点は、実務的な視点で整理しておくことが重要です。基礎期には個別理論の暗記を徹底し、応用期以降は過去問を活用しながら、事例形式の問題への対応力を養いましょう。

計算問題では高得点勝負になりやすいため、計算ミスは致命的です。土地・家屋・償却資産それぞれの評価計算や特例処理を正確に理解したうえで、繰り返し問題演習を行い、処理スピードと精度を高めていきます。途中式を丁寧に書く、見直し時間を確保するなど、ミスを防ぐ習慣も重要です。

また、固定資産税は出題傾向が安定しているため、過去問を分析し、頻出論点を重点的に対策することで効率よく得点力を伸ばすことができます。ただし、やみくもに解くのではなく、出題パターンや重要論点を意識して取り組むことがポイントです。具体的な学習の進め方としては、平日は条文暗記やミニテストの復習、休日は答練や総合問題の復習・本試験形式の演習に時間を確保するなど、継続的な学習習慣を築くことが効果的です。また、通勤や通学などスキマ時間も有効活用します。直前期にはこれまでに間違えた問題を重点的に見直し、弱点補強に集中しましょう。答練や模試を活用することで、本試験レベルの問題に慣れることも重要です。理論マスターや基礎答練、応用答練と段階的にレベルアップしていくことで、無理なく実力を伸ばすことができます。

固定資産税は他科目と比べて大きな税制改正が少ない科目ではありますが、法改正の影響が全くないわけではありません。他税目の改正が関連するケースもあるため、最新情報のチェックも怠らないようにしましょう。
独学でも合格は可能ですが、専門学校や通信講座を活用することで、出題傾向を踏まえた効率的な学習が可能になります。自分の学習スタイルに合った方法を選択することが、最短合格への近道といえるでしょう。

~まとめ~
税理士試験の「固定資産税」は、他の主要税法に比べて学習ボリュームが少なく、働きながらでも挑戦しやすい科目です。出題傾向も比較的安定しているため、過去問や専門学校のカリキュラムを味方につければ、非常に効率よく合格を狙える科目です。しかし、その一方で「範囲が狭い=全員の完成度が高くなる」という、過酷な高得点勝負の側面も忘れてはなりません。本試験ではわずか1つのケアレスミス、処理スピードの遅れが合否を分ける精度勝負となります。
だからこそ、日頃の学習から「理論は制度趣旨まで深く理解する」「計算は満点を狙う気持ちでミスをなくす」という高い意識を持ち、コツコツと基礎を積み重ねていくことが、激戦を勝ち抜く最大の鍵となります。この記事を参考に、ぜひ戦略的な学習を進めて合格を掴み取ってください!

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