税理士科目合格は就職・転職で有利?

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税理士科目合格は就職・転職で有利?

税理士試験は日本でも有数の難関資格として知られています。全11科目の試験を突破するためには、長い学習期間と高い専門知識が求められますが、すべての科目を一度に合格する必要はありません。実は、「科目合格制度」によって、合格した科目は一生有効であり、この制度が税理士試験の受験者にとって大きなメリットとなっています。
では、税理士試験の科目合格者は、実際の就職や転職でどのような評価を受けるのでしょうか?会計事務所や一般企業でのキャリアアップに繋がるのか、また、他の専門分野でも有利に働くのか。このコラムでは、税理士科目合格者がどのようにして市場価値を高め、キャリアを築いていくかを詳しく解説していきます。

・税理士試験について
税理士試験は、税理士資格を取得するために必要な国家試験で、毎年8月に実施されています。
試験は、「会計学に属する科目」、「税法に属する科目」で構成されています。
〇「会計学に属する科目」:簿記論、財務諸表論
〇「税法に属する科目」:所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)
税理士試験に合格するには、「会計学に属する科目」2科目と「税法に属する科目」3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)の計5科目の合格が必要です。
いずれも高い専門知識が求められ、合格率は各科目10~15%程度で、5科目合格に必要な勉強時間は約3000~4000時間と、税理士試験は「難関資格」として広く認識されています。また、令和5年度(第73回)税理士試験から、受験資格が緩和されたことでより受験しやすい環境となりました。

・税理士試験は科目合格制
税理士試験は、科目合格制で全科目を一度に合格する必要がなく、1科目ずつ合格を積み重ねることができます。合格した科目は生涯有効であり、働きながら少しずつ試験に挑戦することができるため、社会人受験者にとっても魅力的な制度です。

・税理士試験の科目選択について
「税法に属する科目」3科目については、選択制で自由に選ぶことができます。受検科目の選択は、自身の適性や得意な科目、現在の仕事・将来目指したい税理士像を考慮し総合的に判断しましょう。将来的なキャリアにも活かすことができます。

税理士科目合格者の市場価値

税理士科目合格者は、就職・転職市場で近年高い需要を誇っています。少子高齢化の影響もあり、採用に苦戦している会計事務所も少なくありません。難関試験に合格し一定水準の会計・税務知識を有している税理士科目合格者は、「売り手市場」にあります。会計事務所や税理士法人で将来の税理士や幹部候補として科目合格者が積極的に採用されており、また、年収も上がっている傾向にあります。会計事務所によっては、資格手当を支給しており1科目につき月額5,000~10,000円支給されます。
税理士科目合格者は、会計事務所や税理士法人で歓迎されることが多く、応募資格として科目合格が記載されている求人も多くあります。
必ずしも税理士試験5科目に合格していなくとも、1科目でも合格していれば評価材料となり、3科目以上合格していれば特に市場価値は高まり、就職・転職に有利に働きます。

税理士科目合格者が市場価値を高める方法3選

①市場価値が高まる科目に合格する
市場価値を高めるためには、業務に関連があり評価される科目に合格することです。法人税、所得税、消費税、相続税は、会計事務所での実務に必要で高く評価される科目です。

②税理士になる
科目合格者としてのキャリアを積みながら、最終的に税理士資格を取得することで、市場価値を大きく引き上げることができます。税理士資格を持つことで、高収入のポジションや独立開業を目指せるだけでなく、クライアントからの信頼も高まり、専門的なアドバイスを求められる機会も増えます。科目合格者の段階であっても、税理士資格取得を目指すことが長期的に見て重要です。

③他分野の経験・スキルを活用する
税理士科目合格者として市場価値をさらに高めるためには、税務以外のスキルも活用することが有効です。例えば、ITスキルやデータ分析の知識があれば、企業のDXを支援でき、経営コンサルティングやファイナンス、創業支援、補助金関連、海外との事業展開、事業承継・組織再編などの知識を持つことで、より高い付加価値を提供することができます。他分野のスキルを組み合わせることで、キャリアチャンスが広がります。

税理士科目合格は就職・転職の際に評価される?

・会計事務所・税理士法人
会計事務所や税理士法人では、税理士科目合格者は非常に高く評価されます。クライアントの規模や提供サービス(特化型など)により評価される税理士科目は異なりますが、科目合格者は、幅広い業務を担当することができ、キャリアアップの機会も多いです。また、科目合格者は将来的に税理士資格を取得する可能性が高く、長期的な人材育成の観点からも採用されやすいです。

・コンサルティングファーム
コンサルティングファームでは、税務・会計の専門知識を持つ税理士科目合格者が重宝されています。特に経営・事業・財務戦略やM&A・IPOを支援する部門では、税務や会計の専門知識が必要不可欠で高く評価されます。

・一般事業会社
一般事業会社では、特に経理・財務部門で、その知識が大いに役立ち税理士科目合格者が重宝されます。また、経理・財務だけでなく、経営企画や内部監査などの部門でも、その知識を活かして幅広いキャリアが描けます。

まとめ

税理士科目合格者は、就職・転職において非常に有利な立場にあります。難関資格として知られる税理士試験ですが、科目合格制度により自分のペースで資格取得を目指せるため、その過程で得た知識やスキル・経験が就職や転職で高く評価されます。
市場価値を更に高めるためには、実務経験を積むと共に、実務に関連する税理士科目に合格することや最終的に税理士資格を取得することが重要です。また、税務・会計以外の知識・スキルも活用することで、キャリアの選択肢を広げることもできます。

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