AIで税理士業務の今後はどうなる?税理士はAIに代替される?

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AIで税理士業務の今後はどうなる?税理士はAIに代替される?

税理士がAIに代替されると言われる3つの理由

税理士がAIに代替されると言われる3つの理由
AIの発展がさまざまな分野で話題となり、税理士業務も例外ではありません。AIによる業務効率化や代替の可能性が注目される中で、「税理士はAIに仕事を奪われるのか?」という不安を抱える方も少なくありません。本コラムでは、AIが税理士業務に与える影響について解説します。

税理士がAIに代替されると言われる3つの理由
①会計業界がAIに代替されると言及された論文があるから
2013年にイギリスのオックスフォード大学のAI研究者であるマイケル・A・オズボーンらが『The Future Of Employment(雇用の未来)』という論文を発表し「今後10年から20年で米国の現在ある職業の約47%がAIやロボットに代替される」と予測し、世界に衝撃を与えました。その後、日本に特化した共同研究では「日本では今後10年から20年の間に約49%の職業が代替される」と予測しました。
この職業の中に『税務申告書代行者』がランクインしていたことから、税理士がAIに代替されるのでは?と言われるようになりました。

②税務申告の作業がソフトによって現在代替されているから
AI や RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)、会計ソフトをはじめとしたICT(情報通信技術)・クラウドの活用により、領収書や請求書の自動データ化、仕訳業務の自動化、記帳や会計書類作成・税務計算など簡易化・自動化できる部分も多くなってきており、税理士が関わる業務で効率化が進んでいます。

③税務行政でもDXが進んでいるから
税務行政のDXを国は促進しています。電子帳簿等保存制度の普及・促進、e-taxや、課税・徴収において過去の調査データをAIを活用して申告漏れリスクが高い納税者を絞り込んだり、税務相談業務にAI(国税庁の税務相談AIチャットポッド『ふたば』)を活用しています。
参照:国税庁HP 税務行政のデジタル・トランスフォーメーション

税理士はAIに代替されない3つの理由

①AIが代替できるのは税理士業務の一部で、人間でなければ対応が難しい業務が多数あるから。
税理士の主な業務は、税務代理・税務書類の作成・税務相談の独占業務の他にも、会計帳簿の記帳代行、経理・財務等の業務代行、コンサルティングなどの業務があります。
記帳やデータ入力、請求書の発行、試算表・決算書・財務諸表の作成などの事務処理については、AIによって行われる可能性がありますが、税理士の業務は、単なる書類作成や事務処理代行ではなく、処理の方法により利益や税金などが変わってきますし、経営の判断や個人の意思決定に大きな影響を与えます。また、複雑な税務問題やコンサルティング業務は、税理士の専門的な知識と経験が必要不可欠で、専門家のアドバイス・支援が必要となります。

②日本の税務・税制は複雑で改正も頻繁にあるから。
税理士は、「税理士法」という法律により資格を与えられた税務の専門家です。
税務を専門とする職業が、法律で制度化されている国は、日本、ドイツ(Steuerberater)、韓国(税務士)、中国(注冊税務師)など極めて限られており、多くの国では会計士・弁護士などが税務サービスを行なっており、世界では日本は稀な少数派となります。
IT先進国のエストニアでは、行政のデジタル化が最先端クラスで進んでおり世界一DX化された国として注目されています。行政サービスの99%はオンライン化されていて、 オンラインでできないことは結婚、離婚、不動産売買のみで、税理士・会計士が消滅した?と言われることもあります。しかし、税理士・会計士は存在しており、主に法人向けの税務コンサルティング業務などを行っています。AI技術の進化やさらにDXが進んでも仕事のニーズは存在するということです。
また、毎年のように税金に関する制度が変わるので、普通の一般人が税制の事をきちんと理解するという事は日本では困難です。このような理由から、税制上メリットのある申告方法を提案したり、AIにはできないコンサルティング業務などの、人にしかできない仕事は依然として必要で、むしろニーズは増えるかもしれません。

③専門性や業務特化型の税理士ニーズが益々高まっているから。
IT、インターネット、AI、ビッグデータなど、新たな技術・価値観がマーケットに浸透してくると税理士に期待する顧客ニーズは多様化・複雑化しており、会計・税務のみならず、経営に関するアドバイス、資金調達・融資、相続、不動産、国際税務、事業承継、組織再編、連結納税、M&A、創業支援、スタートアップ支援、IPO、補助金申請などや特定業種(医業、不動産業、飲食業、美容業など)に関するノウハウや経験が豊富な専門性の高い税理士のニーズが高まっております。

AIに代替されない税理士の特徴

①AIを上手く活用できる
AI技術の進展に伴い、税務業界にも変革が求められています。AIによるデータ処理・税務計算などの自動化は進んでいますが、それらを業務に活かすのは税理士の専門知識・経験や判断力です。
経営者の事情や業界の動向を踏まえた具体的な提案を行うのは人間にしかできません。AI技術がさらに発展してもAIをツールとして最大限に活用しながら、税理士自身が業務の付加価値を高める姿勢が求められています。

②税理士は経営者にとって一番の相談相手という自覚がある
AIには再現できない、人間関係の構築力や信頼性は、税理士の最大の強みです。特に、中小企業や個人事業主にとって、税理士は「税務を超えた経営の身近な一番の相談相手」であることが多いです。
AIの普及により税務業務の効率化が進む一方で、経営者のニーズはより複雑化しており、経営者が抱える課題に多面的な視点から対応する能力が求められています。単なる税務アドバイスにとどまらず、経営者にとっての「信頼できる参謀」として行動できる税理士こそが選ばれる存在となります。

③常に成長意欲を持ち業務に励む
税理士業界は、税制改正やIT化・AI技術の進展などによって大きな変化が続いており、税理士には継続的な学習が不可欠で、AIやRPAといった新しいツールを活用し、業務効率化を図ることも重要です。同時に、業務効率化で生まれた時間を自己研鑽に充てることで、専門性を深めたり新たなスキルを身につけることを通じて、常に業務の質を向上させる姿勢が重要です。

まとめ

AIの進化は税理士業務に大きな影響を与えますが、AIがすべてを代替するわけではなく、税理士が持つ専門知識や人間性、信頼関係の構築力などAIには代替できない価値が多くあり、人間ならではの価値がますます重要になってきます。AI時代においても、税理士の役割は重要で最新のツール・AIを効果的に活用しつつ、経営者の課題を深く理解し解決へと導く専門家であり続けることで、税理士の価値はこれからもさらに高まっていくものとなるしょう。

同じ質問をAIのChatGPTに聞いてみたので、興味ある方はこちらのコラムもチェックしてください。
コラム:税理士業務はAIに奪われるという噂は本当!?をChatGPTに聞いてみた。

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