税理士試験の法人税法について徹底解説!

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税理士試験の法人税法について徹底解説!

税理士試験は、会計科目2科目と税法科目3科目の合計5科目に合格する必要があり、税法科目3科目のうち「法人税法」か「所得税法」のどちらか1科目の合格は必須となります。選択必須科目の「法人税法」は、税理士試験の中でも難易度が高く、多くの受験者が最重要科目として位置づけています。
企業の利益に課される法人税は、税務実務の根幹をなす分野であり、税理士や会計/税理士事務所で働く人にとって避けて通れない知識です。本記事では、法人税法の試験内容や学ぶメリット、難易度、勉強方法までを解説します。

法人税法とは?

法人税は、日本の国税収入のうち三大税収(所得税・法人税・消費税)の一つで、企業などの法人が得た所得に対して課される税金であり、日本の財政を支える重要な税です。法人税法は、会社などの法人が得た所得にどのように税金を課すのかを定めた法律で、日本の税制の中でも中核的な法律で、法人の利益確定、損金・益金の考え方、繰延資産、交際費など、法人税額算出の会計処理は企業会計の利益計算と一致しないこともあり、企業会計と税法の調整に深く関わる内容が規定されています。

■法人税法を学ぶメリット
税理士試験において法人税法を学ぶ意義は非常に大きく、次の3点が挙げられます。
①税理士・会計事務所の実務で『法人税法』の知識は必須
ほとんどの会計事務所で主なクライアント(顧問先)は法人で、業務の中心が「法人」の決算・税務申告業務です。そのため、法人税法の知識は日常業務に直結します。
②他の税理士科目との関連が強い。
会計科目の簿記論・財務諸表論や、他の税法科目などとも体系的理解がしやすく、学習効率のUPや試験の総合力にもつながります。
③就職・転職やキャリア形成で有利
法人税法の知識は、法人税の申告書作成業務や企業取引の全体を把握する力を身につけられるため、会計/税理士事務所・企業の経理財務部門・コンサルティングなどで評価されます。

法人税法は税理士試験の中でも難易度が高い科目とされますが、それゆえに合格後の信頼性・専門性は群を抜いています。次章では、試験内容を詳しく見ていきましょう。

法人税法の試験内容

【受験資格】
法人税法の受験には、一定の資格が必要です。主な区分は以下の通りです(2023年以降、会計科目の簿記論・財務諸表論については受験資格が不要となりましたが、法人税法を含む税法科目は以下の受験資格が必要です)。
・学識: 大学、短大・高等専門学校、専修学校卒業で、社会科学に属する科目を1科目以上履修、大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得、司法試験合格者・公認会計士試験の短答式試験の合格者
・資格: 日商簿記検定1級合格者、全経簿記上級合格者
・職歴: 会計事務・銀行業務などに2年以上従事。税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事

【試験日程など】
・税理士試験日程:例年、8月上旬~中旬の3日間にわたって実施されます。
・試験時間:2時間です。
・受験地:全国の主要都市に設けられています。正確な日程や時間割は、国税庁のホームページにて例年4月上旬から4月中旬頃に公表されます。(▼関連記事 参考:『税理士試験の試験会場は?いつわかる?過去の会場は?注意点は?』)
・受験申込受付:例年4月下旬~5月中旬ごろです。申込書類や必要書類の準備をして、申込みをします。
・合格発表:合格発表の日程は、例年11月下旬から12月上旬頃です。

【試験範囲・出題形式・傾向】
・試験範囲:法人税法に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。 参照:国税庁HP
・出題形式・傾向:法人税法の試験は、「理論問題」と「計算問題」の2本柱で例年構成されており、配点はそれぞれ50点です。
理論問題は、法人税法・租税特別措置法の規定内容と適用関係を理解し記述する問題が出題されます。規定の説明や事例形式の出題も多く、単なる暗記に加えて、具体的な取引を条文に当てはめて解釈する力も求められます。計算問題は、個別提示資料を基に各事業年度の所得金額を算定し、最終的な法人税額まで求める総合問題が中心です。
「実務重視・応用力型」の傾向が強く、単純な暗記だけでは対応が難しいため出題傾向の把握と過去問分析が、合格への鍵となります。

法人税法の難易度

【法人税法の合格率】
国税庁の公表データで近年の法人税法合格率の推移を見ると、
2025年(第75回):13.5%(受験者数3,606人、合格者488人)
2024年(第74回):16.4%(受験者数3,583人、合格者588人)
2023年(第73回):14.0%(受験者数3,550人、合格者497人)
2022年(第72回):12.3%(受験者数3,454人、合格者425人)
2021年(第71回):12.8%(受験者数3,532人、合格者453人)
となっており、12%~16%で直近5年間の平均合格率は13.8%です。​(参照:国税庁HP)
2025年度は13.5%と前年よりやや低下しており、依然として狭き門であることがわかります。
もう一つの選択必須科目の所得税法と比較すると、法人税法の受験者が約3,500人程度で推移しているのに対し、所得税法の受験者数は直近5年1,100〜1,300人で、合格率も約13%と法人税法と合格率は同水準です。これは、個人の所得にかかる税である所得税法よりも、実務での汎用性が法人税法の方が高いためだと推測されます。

■難しいと言われる理由
法人税法は、税理士試験の中でも最難関と言われています。
他科目と比べて出題範囲が非常に広く、覚える論点が膨大で、学習量も圧倒的に多い科目です。学習時間は、個人差がありますが、最低でも600時間+αの時間が必要とされており、理論の暗記時間も含めると1000~1800時間かかるとも言われています。
理論暗記と計算練習が必要で、単なる丸暗記でなく「具体的な取引に条文を当てはめて説明する」応用力も必要となります。また、法人税法は、会計科目の簿記論・財務諸表論や他税法科目を突破した受験生も多く、受験生のレベルが高いため「相対的に難しい」と感じやすい科目です。

法人税法に合格するための勉強方法

法人税法は、理論を軸に計算とリンクさせ反復学習が必要です。
・理論対策:まず理論の全範囲を広く通し体系を把握し、条文は暗記だけでなく、趣旨・要件を理解し、記述式で答案を書いてみて不足しているフレーズを洗い出します。
・計算対策:個別論点をテキスト・演習でトレーニングし、総合問題へ移行します。解けなかった論点を重点的に復習します。また、本試験の時間より短く解く練習でスピードも意識して精度を上げていきます。
・スケジュールと継続:8月の試験に向けて、9月~12月までに基礎を固め、1月〜4月で応用を押さえ、5月からの直前期で答案練習を繰り返し、毎日「理論+計算」セットで学ぶことを習慣化して試験に備えます。過去問や模試で出題傾向と自分の順位を把握し、残り期間で理論・計算どちらを厚めにするかを随時調整します。
独学では難易度が高く、資格予備校や通信講座を活用することをおすすめします。スキマ時間(通学・通勤)なども活用しながら、学習を継続できるようモチベーションを維持する工夫も大切です。

~まとめ~
法人税法は、税理士試験の中でも難易度が高いものの、合格すれば税務のプロとして確かな実力を証明でき、市場価値も大きく上がる科目です。また、会計・税理士事務所、税理士法人の他、企業の経理・財務部門やコンサルティング会社でも高く評価され、就職・転職・独立など様々なキャリアで強力な武器になります。
合格を目指す過程で得た法人税の知見は、将来、顧問税理士として企業成長を支援する力にもなります。学びをキャリアに直結させるためにも、試験勉強と並行して「自分に合った環境」を意識的に探すことが大切です。

試験勉強と並行して、あるいは合格を勝ち取った後に大切になるのが、その知識をどこで活かすかという「環境選び」となります。実務経験を積みながら学習を継続したい方や、合格後に専門性を発揮できる事務所を探している方は、会計・税理士事務所業界専門の求人サイト『ジョブノック~Job Knock~』をぜひチェックしてみてください。
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